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HACCPハサップ基本のき!【食の安全 02】

こんにちは。特任助教の松永です。

麻布大学食品生命科学科では、学びの特色の一つである「食の安全」の取り組みとしてHACCP(ハサップ)教育を積極的に推進し、食の安全のプロフェッショナルの育成に力を入れています。

本日は、そもそもHACCPってなに?という疑問に答えるべく、HACCPの基本のきについてご紹介します。

HACCPは、1960年代の宇宙開発「アポロ計画」とともに誕生しました。

宇宙開発と食の安全?? ピンとこないかもしれませんが、どんなにトレーニングを重ねた宇宙飛行士であっても、宇宙食が食中毒菌に汚染されていたらひとたまりもありません。

宇宙で食中毒発生→下痢や嘔吐(おうと)→他の乗組員への感染→治療ができない・・・少し想像しただけでも、たいへんな絵が浮かびましたね。

そこで、効果的な食中毒の予防法はないのか?と考え出されたのがHACCPです。

今更ですが、“HACCP”とは、Hazard(ハザード) Analysis(アナリシス) and(アンド) Critical(クリティカル) Control(コントロール) Point(ポイント)の頭文字を取ったもので、和訳すると「危害要因分析重要管理点」です。

この時点で、横文字と漢字の多さに心が折れかけますが、よくよく考えるとたいして難しくはないので、この後もぜひお付き合いを…!

ここでは、HACCPを分解して考えてみます。

「危害要因」とは、健康に悪影響をもたらす微生物や物質などのことで、例えば、食中毒の原因になる細菌やウイルス、健康を害する食品中の化学物質、鋭利な金属の異物混入などがあります。

「重要管理点」とは、食品製造の各工程の中で、「危害要因」を除去あるいは許容範囲まで低減できる工程(ポイント)のことです。

なので、食品の「危害要因」を工程ごとに「分析」して、「重要管理点」で確実に除去あるいは低減するというのが、HACCPの基本です。

具体例を挙げてみましょう。レンジでチンして食べる冷蔵保存のハンバーグを、工場で作るとします。製造工程をざっと挙げてみました。


原料 混合 成形 加熱 冷却 包装


考えられる「危害要因」は、食中毒を起こす大腸菌(O-157など)とします。この大腸菌は、原料に混入しているかもしれません。しかし75℃で1分間以上加熱すると殺菌できることが分かっています。そこで、各工程を低温で管理するなどして大腸菌をなるべく増やさない工夫をしつつ、加熱」調理工程で確実に殺菌します

HACCPでは、この加熱工程をきちんと管理することで製品の安全性を確保します

HACCPによる衛生管理がどういうものか、少しはイメージができたでしょうか?

2020年6月1日付けで、HACCPを用いた衛生管理が食品事業者に義務付けられたので(食品衛生法)、今後は食品工場だけでなく飲食店などでも必須になります。

HACCP管理論では、基本的な知識の習得は勿論のこと、グループワークを通して衛生管理プログラムの組み立てを実際に経験します。是非一緒に学びましょう!

HACCP管理論グループワークの様子

参考資料

・HACCP管理論 麻布大学講義テキスト

 小西良子、三宅司郎、大仲賢二、小林直樹、柳平修一、伊藤武著 幸書房

・食品の安全を創る 改定HACCP

 小久保彌太郎、荒木惠美子、高鳥直樹、豊福肇、長坂豊道著 日本食品衛生協会

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過去の関連ブログ記事はこちら↓

食の安全連載

HACCP管理論

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HACCP管理論担当教員のYouTube動画はこちら↓

松永安由特任助教 

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