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麻布大学のデータサイエンス!:感想その①【食の情報07】

地球共生系データサイエンス第4回:

「麻布大学における研究とデータサイエンス ― 動物の中に眠るビッグデータ ―」

水野谷先生(動物応用科学科)の講義に対する、4年生Kさんからの感想です。



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本日は動物応用科学科の水野谷先生にバイオインフォマティクスおよび豚肉のメタボローム解析についてお話しいただきました。


まず水野谷先生の考えるデータサイエンスについてお話しいただきました。

データサイエンスは「実験科学」と「計算科学」の融合と考えられ、分子生物学でビッグデータを扱うサイエンスである「バイオインフォマティクス」の重要性が今後ますます増していくだろうとお考えでした。具体例として次世代シーケンサーの登場により、ゲノム解析がこれまでより格段に安く速くできるようになったお話には大変驚き、ライフサイエンスにおけるデータサイエンスの重要性を感じました。


バイオインフォマティクスは生体内に存在する遺伝子・転写物・タンパク質・代謝物を網羅的に解析する技術であり、イギリスの自然豊かな研究所でRNA-Seq解析(次世代シーケンサーを使った網羅的な遺伝子発現解析)を学ばれたお話もお聞きしました。


そして最後に、放牧した豚(運動している豚)と放牧していない豚(運動不足の豚)の肉の味の違いに関する研究をお聞きしました。まず、ロースという部位を食べ比べて味を確認すると、放牧豚の方が肉の味の強さや香りが増していることがわかりました。そこで、豚の代謝物の違いが味の違いを生んでいるのではないかと考え、網羅的な解析(メタボローム解析)を行ったところ、放牧した豚と放牧していない豚の違いのほかにも、オスとメスや、生肉と加熱調理した肉など、全てで代謝物組成が異なっていることがわかりました。この結果は網羅的解析を行っていなければ分からない結果であり、新しい解析方法の進歩がもたらした成果に感嘆させられました。


本日の講義では、代謝物質の網羅的解析によって、豚肉の美味しさに関する新しい化合物を発見できる可能性があることが示唆されました。また、ブタは解剖学的・生理学的特徴がヒトと似ているため、ブタで得られた結果はヒトにも応用できる可能性が高いそうです。

食味の分野以外でも、網羅的な遺伝子解析を用いた新しい発見に今後も期待したいと強く感じました。


本日の講義では最新の研究と共に、ビッグデータが網羅的解析によって容易に得られるようになった意義についてお話を聞くことができ、大変勉強になりました。

水野谷先生、お忙しいところありがとうございました。





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食の情報分野では、主に人の集団を対象に、データサイエンス(統計学やパソコン技術)を活用して、食と健康のかかわりを地域・社会的背景を踏まえたマクロな視点から捉えます。子どもから高齢者まで、様々なライフステージの人々が抱える健康課題の解決策を立案し、社会へ実装するプロセスを学んでいます。

↓↓↓ 本学の「食のデータサイエンティスト育成」についての取り組みが、新聞やネットニュースで取り上げられています。 ↓↓↓

麻布大学 食品生命科学科の新たな取り組み

麻布未来プロジェクト130

地球共生系データサイエンス・同演習は、麻布大学の教育改革プロジェクト「麻布未来プロジェクト130」の一環として、全学のデータサイエンス教育の推進を目的とした、全学的な取組として開講しました。

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