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安全な食品をつくるには?実践から学ぼう!【食の安全 08】

皆さんこんにちは、特任助教の松永安由です。

今日は食品生命科学科「食の安全」分野の目玉授業、「食品加工学・保蔵科学実習」をご紹介します!


この実習では、ただ食品を調理・加工するだけでなく、調理・加工の工程にHACCP(ハサップ)に基づいた衛生管理を取り入れることで、「安全な食品の作り方」を実践しながら学ぶことができます。


今年度の「食品加工学・保蔵科学実習」では、冷凍ギョーザ、サバの味噌煮、こんにゃく、ロールパン、いちごジャムを班ごとに協力しながら製造しました。

どれもとても美味しくできたのですが、今回のブログでは、冷凍ギョーザの製造の様子をご覧に入れながら、どこが普通の調理・加工と異なるのかをご紹介します!


まず、HACCPでは食品に関するさまざまなリスク(=危害要因)を予防するためにはどんな策を打てばよいかを考えます。

中でも特に重要なリスクである食中毒を防ぐために、食中毒の原因菌を、“つけない”“増やさない”“やっつける”の食中毒予防の3原則を徹底します。



食中毒菌やウイルスを食品に“つけない”ための策は、調理前から始まります。

実習開始前に調理専用の白衣とシューズに着替え、念入りに手洗いをしました。


続けて調理に入ります。材料の野菜をみじん切りにして、ひき肉、調味料とともに混ぜ合わせてタネを作り、ギョーザの皮に包みました。

ここでは、菌を“増やさない”策を打ちます。野菜やひき肉に食中毒菌が付着していた場合、その菌が活発に増殖する温度帯(多くの場合は、37~40℃)に近い温度にタネを置いてしまうと、食中毒菌は活発に増殖してしまいます。

そこで、タネを作るボウルや、タネを包んだギョーザを置くバットを氷水で冷やしながら作業を進めることで、菌を増やさないようにしました。

冷やしながらギョーザの皮に餡を包みます

次に、ギョーザを蒸し器で加熱します。

このとき、菌を“やっつける”策として、ギョーザの中心部までしっかり熱を通して菌を殺します。

ここで菌が殺せたかどうかは非常に重要なポイントなので、棒状の温度センサーをギョーザに差し込んで、中心温度をリアルタイムでチェックしながら加熱します。

各班、ギョーザの中心部が75℃以上で1分間以上加熱できたか、温度計を確認しながら蒸しました。


ギョーザの中心温度をモニタリングしながら加熱します

蒸したてあつあつを実食!といきたいところですが、今回は冷凍ギョーザの製造です。

食べたい気持ちを抑えながら、熱いギョーザを、氷水をしいたバットの上でうちわであおいで冷ました後、冷凍庫に移して冷凍しました。

このときもあつあつのギョーザをいきなり冷凍庫に入れると、冷凍庫全体の温度が上がってしまい菌を増やしてしまうリスクが発生します。そこで、菌を“増やさない”策として、予冷をしてから冷凍することで、食中毒菌が増えやすい温度帯をできるだけ短時間で通過させました。

うちわであおいで予冷をした後、冷凍庫へ

そしてようやく念願の試食タイム!

最後は冷凍したギョーザをゆでて、水ギョーザにして美味しくいただきました。


実践を兼ね備えたHACCPシステムを学べることは、麻布大学の大きな特徴の一つです。麻布大学で、ぜひ一緒に食の安全を学びましょう!



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